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Institute of Asset Management to Preserve Human Dignity

レポート

尊財会活動レポート

2018/04/17 「成年後見制度の利用実態把握及び法人後見の活用に関する研究」の報告書

弊会専務理事が委員として参加しました厚生労働省平成29年度障害者福祉推進事業「成年後見制度の利用実態把握及び法人後見の活用に関する研究」の報告書が公表されました。
このなかに興味深い調査結果があります。

〇後見人の被後見人に対する面会頻度が「年1-2回」「ほぼ面会に来ない」の割合は親が17.2%であるのに対して弁護士が76.6%
〇後見人の被後見人に対する1回の面会時間が「10分以下」の割合が、親が3%であるのに対して弁護士は25%

家庭裁判所による法定後見人の選任については、親族間の財産分与に伴うトラブルを避けるために、親族後見人でなく弁護士のような専門職後見人を選任する割合が高くなっています。
選任されるまで一度も会ったことのない弁護士等の専門職後見人が、上記のような被後見人との接触頻度では、被後見人に対する理解が進み、被後見人の意思を反映した後見活動が行えると到底思えません。
こういう事態を避けるためにも、任意後見制度の活用が求められます。

2018/01/01 新年あけましておめでとうございます。

当該の活動をご理解いただき、昨年度は新たに一般会員1法人、賛助会員18名の方にご加入いただきました。
今年は、昨年同様「相談コーナー」の運営を行うとともに、新たな検定制度創設見向けた関係者協議も進めていく予定です。
引き続きのご支援何卒よろしくお願いいたします。

2018/12/5 日本弁護士連合会主催の成年後見制度利用促進基本計画に関する連続勉強会(第4回)

2017年12月5日に開催された日本弁護士連合会主催の成年後見制度利用促進基本計画に関する連続勉強会(第4回)成年後見人等の不正防止策―後見制度支援信託を代替する預金等―に参加してきました。

利用促進計画と不正防止効果
弁護士 堀江佳史
・信託銀行が提供する後見制度支援信託には、
@本人の自己決定の尊重という理念に反する可能性(限られた金融機関しか取り扱わない)、
A十分な後見監督がなされない可能性、
B身上監護事務が軽視される可能性といった問題点がある。
・こういった問題点の存在が、平成24年度以降の後見申立件数の減少に繋がっているのではないか。(尊財会コメント:後見申立件数の減少の原因を後見制度支援信託に結びつけるのは無理がある。被後見人の人権保護、後見人による横領などより直接的な問題があると思料。)
・成年後見人による不正防止を「後見制度支援信託」だけに頼らない方策が必要であり、複数の成年後見人を選任し、権限の共同行使の定めを置くことも一案。

成年後見人等の不正防止策-後見制度支援信託を代替する預金等-
青山学院大学教授 大垣尚司
・「後見制度支援預金」は、導入に法的・技術的な障害があるわけではない。
・それなのに業界全体が消極的なのは、それが「もうけにつながらないビジネス」であることに尽きる。構造改革の流れとも相容れず。
・このため金融機関全体に対して自主的に積極的な取組みを望むことは難しい。
本計画に従って業界団体レベルで標準的な枠組みができ、最大公約数的対応が進む可能性に一縷の望み。
・一方、後見制度支援信託・預金は家庭裁判所に過度な負担が生じる仕組みなので、よりサスティナブルな仕組みを構築する必要がある。
・銀行法や公益信託の改正により新たな仕組みを工夫する環境が整ってきている。銀行等以外の担い手による展開にも期待。

2017/11/06 成年後見制度利用促進基本計画に関する連続学習会(第3回)

2017年11月6日に日本弁護士連合会が開催した成年後見制度利用促進基本計画に関する連続学習会(第3回)「成年後見制度と意思決定支援」に参加してきました。
この学習会で日本におけるこの領域の第一人者である水島俊彦弁護士の基調報告を聞くことができました。

(題目)
「意思決定支援をめぐる日本と海外の動向〜成年後見制度利用促進基本計画・意思決定支援ガイドラインを読み解く〜」
(報告概要)
○なぜ「意思決定支援」への関心が高まりつつあるのか?
2014年1月20日障がいのある人の権利に関する条約(障害者権利条約)を日本が批准しました。
この条約では、支援付き意思決定(意思決定支援)の理念が強調されており、批准国である日本は成年後見制度を含む代行決定制度から「支援付き意思決定」制度への転換が求めら れています。
○障害福祉サービスの利用等にあたっての意思決定支援ガイドライン(H29.3.31厚生労働省)について
意思決定支援とは、
(目的)
自ら意思を決定することに困難を抱える障害者が、日常生活や社会生活に関して自らの意思が反映された生活を送ることができるように
(手段)
@可能な限り本人が自ら意思決定できるように支援し、
A本人の意思の確認や意思及び選好を推定し、
B支援を尽くしても本人の意思及び選好推定が困難な場合には、最後の手段として本人の最善の利益を検討するために事業者の職員が行う支援の行為及び仕組み
このうち@とAについては、本人意思と伴走する(本来型)意思決定支援(⇒expressed wish)であるが
Bについては、最善の利益に基づく代理代行決定(⇒best interest)である。

「最善の利益」に基づく「意思決定支援」では、本人意思が支援者の意思に引っ張られる恐れがある。
よって@、Aを追及することが、真に本人意思の尊重となる。

2017/7/25 成年後見制度利用実態把握及び法人後見の活用に関する研究の検討委員として参加

厚生労働省の平成29年度障害者総合福祉推進事業として実施される「成年後見制度の利用実態把握及び法人後見の活用に関する研究」に、当会専務理事が検討委員として参加することになりました。


2017/7/8 東京大学市民後見人養成講フォローアップ研修

東京大学市民後見人養成講フォローアップ研修に、参加してきました。
このなかで、内閣府の須田参事官からの報告が興味深かったので情報共有します。

今年の1月にまとめられた「成年後見制度利用促進委員会意見」に、「中長期的な検討課題」として次のような記載があります。
「・・・・障害者の権利に関する条約の批准など国際的動向を踏まえ、本人の意思決定支援の尊重の観点からは、
現行の成年後見制度の三類型の在り方を含め、本人が、必要な支援を、必要な期間、必要な場面に限定して利用できるよう、制度を改善すべきであるなどの指摘もされた・・・・」

すなわち、日本の現行の法定後見制度は、本人の権利の制限(特に後見人による取消権の行使)等の面から障害者の
権利に関する条約が求めている、「障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保する」という
理念に反しているとの見解もあり、今回は制度変更を行わず運営面で改善にとどめるが、次回の制度改正時には法定後見制度の三類型(後見・補佐・補助)を見直す可能性があるとのコメントがありました。

また、成年後見制度利用促進基本計画のなかで、不正防止の徹底と利用しやすさとの調和が課題とされており、
使い勝手の悪いとの指摘のある「後見制度支援信託」に、並立・代替する新たな方策の検討が進められています。

具体的には、成年被後見人(本人)名義の口座を、日常的に使用する@小口預金口座と、通常使用しないA大口預金
口座に分け、@小口預金口座は後見人の判断で引出しが可能とするものの、A大口預金口座は後見人に加え後見
監督人等の同意がなければ、引出しができない仕組みが考えられているようです。
城南信用金庫では既に商品化されているようです。

遠藤英嗣弁護士は、障害者の権利保護の面からも、本人の権利の制限に考慮した「任意後見制度」の一層の普及が
必要とコメントされていましたが、同感です。(代田)


2017/7/9 支援付き意思決定・意思決定支援(SDM:Supported Division Making)実践シンポジウム

支援付き意思決定・意思決定支援(SDM:Supported Division Making)実践シンポジウムに、参加しました。
意思決定支援モデル開発プロジェクトチーム(SDM-Jspan)が、主催するシンポジウムです。

国連・障害者権利条約では、障害のあるすべての人々が他の人と平等に、自ら選択することのできる機会を保障(Choice)され、地域社会の中で生活する権利、(本人にとって)意味のある生活を送ることが、保障(Control)されて
います。

日本はこの条約を批准しており、成年後見制度を含む代行決定制度(本人に代わって後見人が「客観的な最善の利益」に基づき意思決定をする制度)から、「支援付き意思決定」制度(本人の意思を読み取り、実現に向けて一緒に動く制度)
への転換が求められています。

英国ではすでに意思決定能力法(MCA:Mental Capacity Act)が施行されており、障害者に意思決定能力がないと
決めつけるのではなく、本人による意思決定が実現するための実行可能な、あらゆる支援が求められています。
また、本人による一般には賢明でないと考えられる判断であっても、意思決定能力の欠如として否定することが
できません。

シンポジウムでは、「支援付き意思決定」の具体例として、オーストラリア・サウスオーストラリア州意思決定支援
モデルの紹介がありました。
詳細はSDM-Japanのホームページをご覧ください。
この動きは今後メインストリームになるものと予想します。(代田)


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